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『風が強く吹いている』読書会&忘年会 レポート

当会は”翻訳ミステリー読書会”ではありますが、国内の作品も旺盛に取り上げています。
とはいえ、今回の課題本は『風が強く吹いている』・・・これは箱根駅伝をテーマにした爽やかスポーツ小説。殺人もトリックもありません。なぜこの本を選書したのか。それは・・・私(=世話人)が好きな本だったからです!まぁいいや、理由はなんでも。とにかく「同じ本を読んだ人達が集まって新たな繋がり、新たな読書の広がりができる」それが読書会ですから!

今回も30名近くの方にお集まりいただきました。本当にありがとうございます。
まずは皆様に自己紹介代わりにこの作品の中で「印象に残ったキャラクター」を教えていただきました。意外なことに・・・ニラ(=犬)強し!主人公でも他の駅伝メンバーでもない大家さんちの犬がまさかの人気。そして駅伝メンバーの中ではユキ先輩推しが多い!他にもヒール系キャラや出番の少ないバイプレーヤーの名前などもあがり、皆さんしっかり読み込んでおられるなぁという印象です。

早速ディスカッションへ。

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当然ながら読書会参加者の箱根駅伝予備知識にはかなり開きがあります。
毎年楽しみにテレビを観ているという長年のファン(全国放映になる前から観ているという関東圏の方も!)から家族が観るからついでに観ている程度ですという方、全く興味がなかったとか往路と復路があることも知らなかったという方まで見事にバラバラ。
それぞれのお立場で本作、そして箱根駅伝はどう映ったのでしょうか。
「この作品を読んで予選会の仕組みがよくわかった」
「花の2区と言うが、個人的には復路の6区が花だと思う」
「駅伝に興味がなかったけれど観たくなった(来年の箱根は絶対観る)」
「スポーツが苦手だとそもそもスポーツ系の本は読まないのでこの本を読んで新たな世界が開けた」
「ミニ駅伝(20km)を職場でやった経験から、体重を落としたり、速さと強さの違いが実感としてわかった」
「気持ち良い作品で素晴らしい読書ができて、選書してくれて本当によかった」
「(この本の内容を)知ることで駅伝が楽しくなる」
「作者がもともと駅伝のエッセイを書いていたので、この作品を読むのが楽しみだった」


箱根駅伝の知識が全くなくても楽しめるし、知識・経験がある人も楽しめる作品ですね。
本作はほとんど素人集団(しかも陸上経験のない人までいる)である寛政大学の学生10名が箱根駅伝に出場しようと奮闘する物語です。しかし現実にはそう簡単なことではありません。というか不可能に近い。その「現実」と「虚構」の違いをどのように受け止められたのでしょう。
「トイレに行く場面や吐く場面がありリアル」
「ギリギリ10人で無茶な話だと思うけど、泥臭い練習に泣けた」
「走る事への原始的な喜び、眩しい練習風景だった」
「荒唐無稽だけど読ませる力がある」
「有りえない設定だけどリアリティがある」
「ありえない事であり20キロも走ったら普通死ぬと思う」 (←いや死にませんよとアクッティブ系の進行役がツッコみを入れたらしい)
「試合前に酒盛りしてるし」
「リアルさに欠けるため最後まで疑問を感じながら読んだ」
「実際の箱根駅伝を観戦していたときのことを思い出す」
「レースのシーンがリアル(プロローグ→実際の駅伝→エピローグだけで十分なくらい)」


ここは意見の分かれるポイントのようでした。もちろんすべてのご意見が尊重されます。みんなちがってみんないい(^^)
小説の構成や登場人物などについてもたくさんのご意見がでました。

「登場人物がみなステキ」
「文庫の解説が作品を補完していて良い」
「ランナー10人の描き分けができている」
「チームとしてのまとまりも良い」
「走のその後(家族との関係)が気になる」※走=蔵原走(くらはらかける)~本作の主人公
「ラストが気になってぐいぐい読める」
「「ゾーン」ってすごい。(松岡修造がよく使っている) 」
「レース時のランナー達の独白が胸に迫る」
「泣きそうになって家で読むことにした」
「少年漫画の常套のような展開」
「物語のフォーマットがしっかりして読ませる」
「すべてを見通している人間があまりにも多すぎる」
「疾走感がある」
「たまたま、表紙の絵がもともと好きな作家だった」
「努力という言葉の意味を考えさせられる→人(登場人物)それぞれに努力の意味を知る」
「ハイジの目から走の世界→走の目から見た世界→各登場人物の内面を吐露していく→各登場人物の苦労が描かれている、という構成が上手い」
「新しい世界を紹介してくれるのが上手い」
「小説として王道。起承転結がある。涙、笑い、アクシデント。予想通りの結末で安心して読める」

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“翻訳ミステリー読書会”の名前に騙された方も?
「ミステリーと思って読んだら全然違った(笑)」
でもそこにバッチリなフォローが入ります。
「いや鉄ちゃんが時刻表を調べると、小説のようにランナーを先回りするのは難しいらしいですよ」
おーっともしやこれはアリバイ崩し!?素晴らしいです。さすがミステリーファン(笑)

そしてやはり来たかというこのネタ。
「BLの要素強し、ハイジと走の出会いのシーンからビシビシくる」
「作者はラジオでもBL談義をしているくらいだから、BL要素は意識的だろう」
「すべての登場人物にカップリングが設定されている」

BL風味に萌える方、逆にこの要素はちょっと引くという方、みんなちがって(以下略)

箱根駅伝の実際のレースをご覧になった方によると、やはり襷を渡す瞬間はとてもよかったそうです。そしてランナーのスピードがあまりに早くてシャッターチャンスを見つけるのは至難だとか。まさしく「風」が走り抜けていく感じなのかもしれません。

映画をご覧になった方もいらっしゃいました。コース、小道具や衣装から実況アナウンサーに至るまでホンモノ仕様の映画は必見の価値あり。
読書会では林遣都さん(主人公 蔵原走)のフォームが綺麗だったと好評でした。林さんは役作りのために指導を受けた某大学陸上部からスカウトをされたとか。「バッテリー」で野球、「DIVE!!」で飛込競技、「ラブファイト」でボクシングと超人的運動神経を発揮してきた役者さんならではの逸話です。
ちなみに舞台版では箱根駅伝に出場した経験を持つ和田正人さんが走役を演じていますのでこちらもおススメします。

話しは尽きぬというところですが、ぜひお正月には、小説の内容や読んだ時の気持ち、そして読書会でのディスカッションを思い出しつつ箱根駅伝を10倍楽しんでいただけたらと思います。


読書会の第二幕は「課題本決定戦」
来年は3/22から始動いたします。その時の課題本を決める企画です。
1人5分程度のプレゼンをしていただき、多数決で一番得票の多かった作品が晴れて課題本となります。形式はビブリオバトルに似ていますが、未読の本でもプレゼンできるのが特徴。
今回はテーマを「古典」としました。古典といっても明確な年代の区分はせず、「貴方が古典と思えば古典」でOK。
エントリーされたのはこの11作品でした。(タイトル50音順)

『赤い館の秘密』 (A・A・ミルン)
『アクロイド殺し』 (アガサ・クリスティー)
『オペラ座の怪人』 (ガストン・ルルー)
『黄色い部屋の謎』 (ガストン・ルルー)
『月長石』 (ウィルキー・コリンズ)
『さむけ』 (ロス・マクドナルド)
『ねじの回転』 (ヘンリー・ジェイムズ)
『バスカヴィル家の犬』 (アーサー・コナン・ドイル)
『緋色の研究』 (アーサー・コナン・ドイル)
『幻の女』 (ウィリアム・アイリッシュ)
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』 (ジェームズ・M・ケイン)


3チームで予選をして、それぞれの勝者で決選投票という流れでしたが、いや~実に楽しく興味深いプレゼンで、皆さんどれに手を挙げようかと嬉しくも悩ましいめき声があがりました。
その本の魅力はもちろんのこと、課題本にしたい理由がどれもこれもかなりツボを刺激します。
「なんといっても王道!」「みんなで話すと絶対楽しいです!」「この魅力を布教せねば!」「今こそこの作家!」「読書会を機にシリーズ制覇!」「新訳でるし!」「読みやすいし!」「違う翻訳で6冊持ってるけどどれも読んでないんです~~~」と有権者の皆様に最後のお願いで絶叫するうぐいす嬢、土下座する候補者、泣き落とす候補者家族...みたいな展開でした(嘘です)
それら優秀なるプレゼンの中でも「完璧!」と讃えられた神プレゼンで見事課題本に選ばれたのはロス・マクドナルド『さむけ』

ロス・マクドナルドの作品は現在『さむけ』『ウィチャリー家の女』『運命』の3作しか市場に残っていないという寂しさですが、近々『象牙色の嘲笑』が新訳で発売される模様。しかもこれは先日亡くなられた小鷹信光さんの遺訳とのことです。
リュウ・アーチャーシリーズの映画化の話も聞こえていますし、ひょっとしたら来るかもしれないロスマクブームを先取りか!?
今年はロス・マクドナルドの妻マーガレット・ミラーの作品が出版(新訳含め)されて大いに話題になりましたので、次はご亭主にも光を!

DSC_0466.jpg





今回は忘年会スペシャル(いつ名付けた?)ということで、読書会終了後は同じビルに入っているイタリアンレストランからケータリングをしてもらってわいわいと楽しみました。
ご参加の皆さんにもたくさんの差し入れをいただき感謝に堪えません。美味しかったし楽しかったです。

DSC_0464.jpg  20151230_220043.jpg



年末の恒例行事と化してきたのが「今年の目標の反省会」。
年初の読書会で1年間の努力目標を立てていただき(有志の方のみ)ました。さて、その成果や如何に。見事に目標を達成した人には賞賛の拍手、公開懺悔となった人には盛大なる拍手が送られます。まぁほとんどが懺悔なのですが・・・(笑)
今回の懺悔大会、世話人のみぞおちにぐいっと入ったのは「順調に読んでたんですが『ドグラ・マグラ』でピタッと止まって」「『ドグラ・マグラ』以降は調子がでなくて」「『ドグラ・マグラ』でギブ・・・」「『ドグラ・マグラ』が」「『ドグラ・マグラ』が」・・・
昨夏は『虚無への供物』、今夏は『ドグラ・マグラ』の読書会を開いたのですが、このテキトーなノリで始めた「三大奇書を制覇しよう企画」がここまで多くの人を打ちのめしていたとは。
はアアア、チャカポコチャカポコ♪
この怨嗟の声を糧にして、来年は『黒死館殺人事件』読書会、頑張ります!(私も強くなりましたw)

食べながら飲みながら、あっちのテーブル、こっちの輪、喋って笑って今年の読書会の全スケジュールを終了いたしました。
今年の活動は下記のとおり。
2月『ポケットにライ麦を』(アガサ・クリスティー)
4月『本陣殺人事件』(横溝正史)
6月『プレシャス』(サファイア)※東江一紀先生の追悼読書会
8月『ドグラ・マグラ』(夢野久作)
10月『ロウフィールド館の惨劇』(ルース・レンデル)
12月『風が強く吹いている』(三浦しをん)
どの会も印象に残ることがたくさんあります。そしてもれなく楽しかった!

札幌ではいろいろな読書系イベントが行われており、お互いクロスオーバーしながら楽しんでおります。どのイベントも優しく温かく迎えて下さる方々ばかりですので、少しでもご興味ある方、ぜひ一度足をお運びください。

それでは皆様、今年一年お付き合い下さいまして本当にありがとうございます。
また来年も良き本、良い読書仲間との出会いのお手伝いをさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(差入にいただいた可愛いマシュマロ↓ こんな笑顔でまたお会いましょう)
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